2020年 05月 07日
タイニーゾーイ |
タイニーゾーイ
ボディー/62mm
自重/8gプラス(フローティング)
構想はあったのですが、集魚力や使用感を想像してみると釣果に結び付く感覚が持てず開発も進まないままでした。
開発が急ピッチで進む転機となったのが、最近話題にあがる「ホバスト」というテクニック。
ミノー系のワームに専用フックと軽量シンカーで移動距離の極めて少ないシェイクを加えてワームを漂わせる技(知らない方は調べてください)ですが、これを応用すればゾーイの小型化に関するネガティブな部分が一掃される!
そんな考えから開発が進みました。
でも、そんな難しそうなテクニックは知らないという方にも使えるようにご安心ください。
従来のゾーイとはだいぶ変わっているところがあります。
①ブレードが無くなり、プロペラに変更。
②ボディーが大きく湾曲
③縦向きシンキング→横向きフローティング
基本的な使い方は従来のゾーイと同じI字引きです。
リトリーブすることで水面下に潜ります。
水面下をI字引きできるルアーでプロペラの付いたフローティングルアーは今のところ知りません。
タイニーゾーイはボディーの湾曲とタイイングアイの設定でプロペラの揚力よりも潜り込むパワーが勝るようにしています。
フローティングのメリットを活かすことで、従来のシンキングプロップベイトではできなかった、カバーの際にキャストしてポーズをとったり、追ってきたバスをルアーを浮かせることでバイトに持ち込むなんてことができるようになります。
また、陸っぱりで手前のカバーを浮かせて避けるのもフローティングなら可能です。
もう少しマニアックなことを言うと、リトリーブスピード、ラインの種類、タイイングアイの上下、ウエイト追加、などを調整することでシンキングでは難しい水面下何センチ潜らせるといった調整ができるのもフローティングモデルの強みです。
現在の状況ではなかなか釣りに行くことはできませんが、アフタースポーンのころに釣りに行けるようになればこのタイニーゾーイをゆっくり巻くだけで良い釣りができるはずです。
ここからはさらにマニアックなお話になります。
「ホバスト」
僕の中のスピード感では「デットスローのI字引き」≫「ホバスト」≫「デットスティッキング」の順に移動スピードが遅くなるイメージです。
理論的には「デットスロー」もゼロに限りなく近いスピードでゆっくり巻けば限りなくデットスティッキングに近づくのですが、実際にはキャストから回収までのルアーとの距離が変わるし、風でラインが流されたり、水流が影響したり、ボートならポジションがずれたり・・・
リーリングをし続けててもどうしても巻きにムラが出てしまいます。
限りなくデットスローの巻きだとこの「巻きムラ」でルアーが引けない(移動しない)タイミングができてしまい、ノー感じ感が強くなってしまうのです。
このルアーが引けないタイミングをなくすために結果的にリトリーブスピードを上げることになります。
ホバストの場合、細かなロッドシェイクによるストップアンドゴーの連続になります。ラインを張ったときのルアー(ライン)の重みとストップ時のノー感じを交互に感じることになりますが、ルアーとつながっている感覚はしっかりあります。
ルアーを感じながらも、ストップのタイミングがあるために結果的に「デットスローのI字引き」よりも移動スピードを抑えることが可能です。また、断続的にラインテンションが加わることでルアーの姿勢を保つ効果もあります。
「ホバスト」の釣果に関する有効性はあえて触れませんが、タイニーゾーイをホバストで使うためのご説明。
タイニーゾーイはフローティングでシェイクすると潜ろうとする力が加わるようになっています。
一定のレンジにルアーキープさせるには浮く力と潜る力のバランスを調整することが重要で、ウエイトシールが必要です。(JBトーナメント以外なら糸錘をフロントフックハンガーの軸に巻くのが便利です)
これは「ルアー自体をサスペンドに調整する」というのではなく、実際に使いながらレンジキープ力を調整してください。
ホバストの細かなシェイクでは機能的な効果の薄いブレードを廃止して、フロントにプロペラをセットしています。
I字引きを限界までスローにしようとしたとき、巻きムラが生じるとこのペラが回ったり回らなかったりしますが、これはあまりよくありません。
一定に回り続けなければ効果が半減します。
ホバストでは瞬間的にルアーが引かれるタイミングでペラが回り、ルアーが停止したタイミングで惰性で回ったペラが停止する前に次のシェイクでペラが回るという連続で、ペラを止めずに回し続けます。難しそうですが実際には自然と回り続けるのでご安心を。
重要なのは、細かいロッドアクションをダイレクトにルアーに加えるためにスナップは使わず直結することです。直結は、シェイク時にラインが踊ってペラに絡むのを防ぐ効果もあります。
ウィードの束や立ち木、岩などバスが潜むカバーの脇で、ペラをキラキラ回しながら微振動で誘い続けたら・・・・・・これで思いっきり釣りが楽しめる日が待ち遠しいです。
小型化することによってI字引きだけでなくホバストにも対応するタイニーゾーイ、よろしくお願いします!
by th-tackle
| 2020-05-07 02:48
| 開発