トゥルーチューンの続き |
従来のトゥルーチューンで解決しなかった、スローリトリーブとファーストリトリーブで曲がり方が異なる原因について解説します。
ズバリ結論を言うと、
シャロークランクをスロー(ミディアム)リトリーブした時とファーストリトリーブした時のクランクベイトの姿勢が影響しているのです。
シャロークランクの巻き始めやスロー~ミディアムリトリーブの場合、ボディーは前傾姿勢となります。
一方、ファーストリトリーブでは水平姿勢になろうとします。
(長くなるのでこの原理については別の機会に説明します。)
姿勢が変わると
タイイングアイとスナップ(スプリットリング)の接点が移動するのです。
前傾姿勢の時の接点をA

水平姿勢の接点をBとします。

2枚の画像を重ねるとこんな感じになります。

スロー~ミディアムリトリーブで従来のトゥルーチューンを行うということは、接点Aの調整をするということです。アイの先端となる接点Bはより大きく曲げられることになります。

スローからミディアムリトリーブでは真っ直ぐ泳ぐのに、ファーストリトリーブでは曲がってしまうのはこんな理由です。
原理を理解していただいたところで、
正しいトゥルーチューンの方法を解説します。
① スロー~ミディアムリトリーブで従来のトゥルーチューンを行います。
② アイの中心点から先を①で曲げた方向と逆に戻すように曲げます。アイの先端部分は真っ直ぐ前を向くように。

③ スロー、ミディアムの調整(接点A)
④ ファーストの調整(接点B)
③と④を繰り返すことでどんなスピードでも真っ直ぐ泳ぐように調整できるはずです。
難しく考えなくても、要はAからBが前から見て真っ直ぐになるように調整すればよいわけです。
MCハマーのトゥルーチューンでも同様の調整がベストです。
調整がしやすいようにタイイングアイの首の部分を若干ボディーから出すことでアイを曲げやすくしています。

アイが短く埋まっているクランクベイトの場合は、アイをうまく曲げられないことがあります。
そんな場合には、アイをひねる方法もあります。
アイを左右に曲げると接点Aは小さく動き、Bは大きく動きます。
逆にアイをひねることで、接点Aは大きく動き、Bは小さく動きます。
曲げとひねりを組み合わせることでA~Bを真っ直ぐすることができます。
ひねりを入れる方法は感や経験的なものが必要で説明しずらいのですが、試す価値はあるはずです。
ハンドメイドクランクのウィークポイントであるトゥルーチューンの方法を紹介させていただきました。
ボックスに眠っているハズレクランクをもう一度スイムテストしてみてはいかがでしょうか。