2012年 08月 16日
本物と偽物の境界線 |
ギル兄(仮名)開発裏話です。
長編になるので何回かに分けて紹介します。
ギル兄はギル☆ギルとは異なりノーアクションで真っ直ぐに進む、いわゆるI字系ルアーです。
開発は、ギル☆ギルをノーアクションでゆっくりリトリーブしたときの集魚効果が素晴らしいことから、このルアーの何がバスに効いているのか試してみたのが始まりです。
ゆっくりリトリーブしたときにスカート付近へのバイトが多いことから、スカートが効いているのではと思い、細長いミノーシェイプボディーにスカートを付けてみたり、さらにそのボディーをジョイントにしたり…
結局はブルーギルシェイプのリアルボディーが集魚効果に役立っているという結論に至るわけですが…
そしてアクションに関して、ノーアクションにこだわった訳は・・・・・・・「ボロがでない」からですね。
動かないほうが真贋の区別が付きにくいものです。
残念ながら現在の技術ではルアーのアクションに関してはどれだけ追求しても本物の小魚と同じにする事は困難でしょう。素材自体が曲がることがない ハードベイトでは不可能です。
つまり動く(動かす)ということはバスに偽物だと教えるようなものなのです。
(リアクションで食わす場合と、リアルを追及して食性で食わすのは異なります。)
例えば山のハイキング道で熊が寝ていたら・・・実はそれがはく製の熊で全く動かないものだとしてもびっくりするでしょう。はく製だと気付くのにも時間もかかるはずです。
でも、それが機械仕掛けで不自然に動くもならすぐに偽物だとわかるでしょう。(技術的に完璧なものができるようになれば別でしょうけど)
しかし、
「ボロが出ない」だけではそれが本物だと確信させるには弱いのです。
たとえばさっきの熊のはく製がショッピングモールのイベント会場に並んでいたら・・・・本物だと警戒する人はほとんどいないでしょう。
本物と偽物の区別ってそのものだけではなく周りの環境にも影響されるのが面白いところで、釣りの現場でも応用できそうですよね!(これも面白い話題ですが話を元に戻します)
ギル☆ギルのノーアクションに対するバスの反応を見ていても、本物と偽物を見分けようとジーッと観察するタイプが多いのです。
そういうバスにリアクションで反射的に食わそうとルアーにアクションを加えると…
ルアーが動いた瞬間に偽物と見切ってしまいます。
そしてノーアクションのリトリーブを続けていても、最終的に食わせまでたどり着かないというジレンマに陥ります。(その集魚効果を利用した合わせ技はこの方のブログで)
ギル兄のプロトでも、
表面仕上げのリアルさを追及し、ノーアクションのI字系にすることで「ボロはでないルアー」、つまり本物か偽物か判別しにくいルアーにはなりましたが、本物と思わせるためのプラスαが不足しているように感じました。
魚を寄せるパワーがあるけれど、食わせることができない・・・・・
この部分の解決がこのルアーをデザインする上で一番の壁でもありキモでした!
次回はこの壁を打開するための秘策についてお話しします・・・
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by th-tackle
| 2012-08-16 13:09
| 開発